「ライブハウス」Stiffslackに来てほしいアーティストについて③

 ライブハウス化したstiffslackに超個人的に呼びたいアーティスト、国内バンド編について。

 この記事で、呼びたいバンドについての一連の記事は最後だ。

 

 ③超個人的枠(国内バンド編)

 

・揺らぎ

 2019フジロックのルーキー用のステージにも出演し、すっかり全国区になったシューゲイザーバンド、揺らぎ。大阪のFlake Recordsの影響か、stiffslackにも揺らぎの音源の取り扱いが始まった。呼ばれてもおかしくないし、観てみたい。(自分は過去2回ライブをみて、2020年の今池go nowにも出演が決まっているので、愛知に住んでいる人間にしては、揺らぎを観る機会に恵まれていると思う。)

 エモバンドとシューゲイザーバンドが混ざり合うイベントというのが開催されても面白いんじゃないだろうか。

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/still-dreaming-still-deafening/1414802964

 

 

・17歳とベルリンの壁

 こちらもシューゲイザーバンド。活動拠点は東京。インディーズのシューゲイザーバンドではかなり有名だと思う。ギタリストの吉田氏はエモやインディロックについてもかなり影響を受けている、好きなバンドが多いことがSNSから見受けられる。stiffslackとの相性も相当良いのではないだろうか。

 ぜひ「プリズム」がstiffslackで響くところが見てみたい。

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/reflect-ep/1222811808

 

  ↓聞きたい曲「プリズム」

www.youtube.com

・Collapse

 立て続けにシューゲイザー。東京や埼玉で活動している。海外でライブをしたり、自分たちで国内のシューゲイザーを盛り上げようと記事のようなものを作ったりと、かなり精力的だ。一度浜松のキルヒヘアでライブを観たことがあるのだが、命の危険を感じるほどの轟音で体の奥から震えた。ギタリストのギターにはしっかりLOSTAGEのステッカーを貼っていたので、恐らくエモやハードコアのバンドと組み合わせてstiffslackでライブをしてもうまくいきそう。

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/delirium-poetry-ep/1450799712

 

・the Rainy

 名古屋のシガーロス、と自分は呼んでる。大好きなバンド。2020年から活動拠点は東京に移った。stiffslackでもCD置いてるし、縁はあるはず。大須のfile-under、AndyにもCDがあり、名古屋を中心に人気がある。いろんなタイプのバンドとライブをしているので、何と合わせてライブしても大丈夫だと思う。呼んでほしいというよりは、他の愛知県外のバンドと合わせてstiffslackでライブをやって、stiffslackを起点に各バンドに繋がりができてほしいという気持ち。

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/film-ep/1450164104

 

・Polly

 ついこの前レコ発で名古屋にきたから見に行ったバンド。これもシューゲイザー。最新作「Flowers」では the Novembers の小林がプロデュースに関わっている。信じられないくらいの轟音が聞ける。大阪のFlake RecordsでもCDの取り扱いがあるので、お店同士のつながり経由からのstiffslackでライブというのがいっぱい見てみたい。(当然、Flake Record だけではなく、stiffslackとつながりのあるお店ひとつひとつがライブでバンドをつなげてほしい)

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/clean-clean-clean/1371961299

 

・Paint a Rainbow

 東京のバンドで、まだリリースした音源もないはず。

 自分がNothing(シューゲイザーバンド)を観に行って最前列で大はしゃぎしてた時にたまたま横にいた若い男の子がやってる、ってことで知った。

 エモいシューゲイザー、というのはこういうのを言うんじゃないか。ちなみにその男の子はstiffslackは当然知ってたし、お店にもいつか行きたいと言ってた。ライブという形で、stiffslackに行きたい人たちの念願をかなえるというのがあっても楽しいだろうけど、多分そういう念願を持った人たちは山のようにいるんだろうな。

 

 バンドのtwitter

twitter.com

 ライブの様子↓

 

www.youtube.com

・Yuragi Lands

 群馬のシューゲイザーバンド。個人的にかなり好きなバンドなのでここにも書くことにした。2枚のデモCDを大須のFile-underに置いたりしてるし、名古屋とも縁がある。ライブは3回ほど見たことがあるが、こちらもかなり轟音。かなり高音をキンキンならすタイプなので、突き刺さるような音がする。

 メンバーのやってる別バンド、猿芝居ではゴリゴリのハードコアパンクをやってるし、名古屋のエモ・ハードコアと合わせても多分大丈夫。というか、ハードコア出身のシューゲイザーならstiffslackでもいける気がする。

 

 ↓ 昨年リリースの2ndデモCD「missies」トレーラー

www.youtube.com

 

・W.O.D

 神戸のロックバンドで、既に全国流通盤のアルバムを2枚リリースしてる。ゴリゴリのグランジバンド。これも大阪のFlake Recordsに取り扱いがあるから、stiffslackとつながってほしいと願ってる。前作、そして昨年リリースの新譜も、the strokesに関わったことでも有名なヨシオカトシカズをプロデューサー/エンジニアに迎えて制作。グランジ好きにもガレージ好きにも刺さる。もしこういうバンドがstiffslackでライブしてくれたら、バンド間だけじゃなく、観にきた人もいろんな音楽に出逢えたりして繋がりができるから、ぜひ呼ばれてほしい。

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/1994/1477458070

 

 

 ・NITRODAY(ニトロデイ)

 神奈川のバンド。注目を集めている若いオルタナバンド、といえば今日本一なんじゃないだろうか。(メンバーはまだ20歳程度のはず。)現時点での最新EP「少年たちの予感」はstiffslackでも取り扱いがあるし、全然呼ばれてもおかしくない。

 ボーカルの小室は無人島に持っていきたいアルバムとして the get up kids の「Something to Write Home About」を挙げているし、間違いなくエモの遺伝子を持っている。いろんなバンドとstiffslackでライブしてほしい。

 NOT WONKのレコ発でbed、NITRODAYと合わさった今池ハックフィンのスリーマンは強烈だった。ニトロデイはリアルにピクシーズソニックユースに見えたし聞こえた。

 個人的には、スーベニア、sedwig、sitaq、といった名古屋のバンドで彼らを迎える、というライブがぜひ見たい。

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 (↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/lemoned-ep/1397644573

 

 

 

 

 もっともっと、来てほしいアーテイストはいる。でも、キリがないからここでおしまい。

 

 

 新川さん、よろしくお願いします!!!!!!!!

 

 

 

あと、これを読んだ人は、ぜひstiffslackのクラウドファウンディングに協力したり、CDやレコードを買って応援したり、実際にお店に行ったり、あるいは見てみたいアーティストを考えてSNSで発信したり、stiffslackにある音楽を知って「こういうのいいな」って思ったりしてくれたらうれしいです。

 

 stiffslackを起点に、名古屋から日本のエモやオルタナが変わっていこうとしている、その瞬間、その現場に携われるかもしれない。そんな希望を感じてます。

 

 エモに、幸あれ。

iffslack/status/1215620461909856259?s=20

httpshttps://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?s=20://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?

https://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?

「ライブハウス」Stiffslackに来てほしいアーティストについて②

 ライブハウスとなるstiffslackに呼びたいアーティストについての記事の続きである。

ここからは超個人的に呼びたいアーティストであるが、海外バンド編についてこの記事では書こうと思う。

 

 ③超個人的枠(海外バンド編)

 

・Pinegrove

 メンバーの個人的問題によるセルフリリースなどもあったが、2020年早々にでた新譜「Marigold」は過去最高傑作の仕上がりになっている。

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 新しく未来に向かっていこうとする彼らを、ぜひ暖かく迎え入れたい。

 もし聞いていなければ、今すぐに聞いたほうがいい。ウィルコ、デスキャブ、レディへ、そういうバンドが好きな人に刺さりまくる。(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/marigold/1481626642

 

・Annabel

 ウィーザーのようなポップさを持つエモリバイバルバンド、といえば自分はこれが一番好きだ。

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数年前に来日もしたし、去年はAnnabelのメンバーも在籍しているバンド、what givesの来日ツアーもあったので、また呼ぶのは大変かもしれない。それでも見てみたい。(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/having-it-all/1111758354

 

・Foxing

 エモリバイバルバンドの中で、というよりここ数年のオルタナティブバンドで最も過小評価されている気がする。

 3rdアルバム「Nearer My God」はデスキャブのクリスがプロデュースに関わり、クイーンのような華やかさとミューズのようなダイナミクスが楽しめる素晴らしいエモ。

 「2010年代のエモの名盤」という2019年の暮れにでた海外サイトのランキングでは堂々の第2位。

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 なのに認知度が低すぎる。これはもうstiffslackでライブをして日本に知らしめるしかないだろ。(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/nearer-my-god/1406947177

 

 ・Holding Patterns

 JAWBOXを彷彿とさせるようなキレキレのエモリバイバルバンド。昨年stiffslackから1stアルバム「Endless」をリリース。これで呼ばないわけにはいかないだろ。

 

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/endless/1460438183

 

・Pianos Become the Teeth

 スクリーモ的なことも、ポストロック的なこともできる器用さがあるハードコアパンクバンド。そろそろ来日があってもいいんじゃないだろうか。とすればもちろんstiffslackは絡んでほしい。

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/wait-for-love/1485071214

 

・Haal

 Magnet School, The Life and Times と共に盛り上げていきたい、シューゲイザー的な要素も持つエモバンド。Magnet School の来日はあったが、彼らはまだだ。stiffslack は Shiner のラストアルバムの日本盤LPをライセンスリリースしたこともあり、そういう方面の音楽とは縁がある。Haalは他ではなく、stiffslackが招待して、stiffslackでライブをやってこそ輝くはずだ。

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/s-t/1157121831

 

・Cloakroom

 昨年ICEGRILLSの招待により来日ツアーをしたシューゲイザーバンド、NothingでもCloakroomのギターボーカルは参加している。先ほどのHaalと同じく、ヘヴィなエモを鳴らしてくれるロックバンドだ。新作に向けても活動しているとの話があり、来日に期待している。

 1stアルバム「Further Out」はRun For CoverからあのHUMのMattを迎えて制作され、2ndアルバム「Time Well」はRELAPSEからリリースされている。

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(↓ Apple Music)

https://music.apple.com/jp/album/time-well/1245245056

 

 

 

 

 

  ほかにも呼んでほしい海外のバンドは山ほどあるが、とりあえず海外編はここまで。

次は国内バンド編。(次が最終回)

 

 

 

https://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?s=20

httpshttps://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?s=20://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?

https://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?

「ライブハウス」Stiffslackに来てほしいアーティストについて①

 2020年最初の記事である。早くも1月が終わろうとしている。

 今年は始まってすぐに東京事変の復活とか色々な話題があるが、個人的に一番びっくりしたのはこれだ

 

『Stiffslack ライブハウス化決定』

 

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 詳細については、stiffslackの公式ページにある。

www.stiffslack.com

 

https://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?s=20

 現在もクラウドファウンディング中である。ぜひ力を貸してほしい。目標金額は達成しているが、もっと集まればライブハウスの機材などが更によくなったり、豪華すぎるアーティスト招集ができる可能性がある。もっともっともっともっと、協力してほしい。もちろん自分もすぐにクラウドファウンディングに協力した。

 あるいは、音源を買って応援でもいいかもしれない。日本が誇るエモ・ポストロック・ハードコアの総本山は宝の山である。ウェブや通販で買えるのはごくごく一部で、実際にお店にいくと信じられないものが沢山ある。

 ライブハウス化に伴い、クラウドファウンディングは2月末まで、店舗の営業は3月末までが現在の予定となっている。クラウドファウンディングをするにしても、実際に音源を買うにしても、急いでほしい。

 

 

 というわけで、音楽をやっているわけでもなく、ただの一人のファンであり客である自分のstiffslack愛をとうとうと語らせてもらった。

 

 本題はここからだ。

 

 stiffslackがライブハウスになる、と聞いた時から、どんな音楽に出てほしいだろう。どんな音楽ならstiffslackで映えるだろう。どんな音楽ならstiffslackのファンにも突き刺さるだろう。そんなことを暇なときは考えていた。

 

 そこで、個人的に「ライブハウス」stiffslackに呼んでほしいアーティストを現時点でまとめてみることにした。

 

 呼んでほしい枠は ①言わずもがな枠 ②絶対来るだろう枠 ③超個人的枠 の3つだ。

 

 それではいこう。

 

①言わずもがな枠

 stiffslackのファンが全員来てほしいと思ってそうなバンドがこの枠。

 

・JAWBOX

 2019年、奇跡の再結成とツアーを行ったJAWBOX。まだ日本には来ていない。これをstiffslackが呼ばなくてどうする。観たい。『Mirroful』で泣きたい。

 2019年のライブの様子↓

www.youtube.com

Braid

 復活したJAWBOXのライブにも出演しているし、現行で活動している数少ないエモレジェンド。前回の来日ライブではstiffslackオーナーの新川さんが一番喜んでいて、泣いていたと聞いた。ライブハウス化を機に、再来日を熱望する。

 

toe

 stifflslackはお店側、toe側からも「世界で一番toeのCD・レコードが売れる店」として認められている。

 そのtoeがstiffslackでライブをしないわけにはいかないだろう。実際、stiffslack15周年記念として、ハックフィンのワンマンライブもしてくれた。自分はそこにいた。エモの洪水を観た。その時、「孤独の発明」「Past and Language」「Song Silly」は聞けなかった。絶対にstiffslackでやってほしいよ。

 

 

②絶対来るだろう枠

20000%くらいの確率で来そう、というか既に出演が決まってそうな、自分の好きなバンドたちがこの枠。ありすぎるので詳細は割愛する。

 

Climb the mind / malegoat / the firewood project / Vacant / Mouse on the Keys / Folio / zArame / LITE / Mirror / ATATA / CARD / bed / Discharming man / Emitation / 4brothers / Sedwig / Deerafter / Loqto / Falls / Summerman / Hellohawk / doimoi / スーベニア / LOSTAGE / フラットライナーズ / threadyarn / cinema staff / Peelingwards / Haiki / My young animal / good luck with your fun / doesn't / akutagawa / room501 / ayutthaya / lang / eveparty / TV dinners / uniTone / SOSITE / Folks / quiqui / Fixed / nim / mass of the fermenting dregs

 

AND MORE

 

 ③超個人的枠

 ほかの人の希望とか一切無視して、自分が呼びたいバンドがこの枠

 

 羅列してしまうと記事が長くなってしまうので、この記事ではここまでとします。

 

(続く)

 

https://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?s=20

httpshttps://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?s=20://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?

https://twitter.com/stiffslack/status/1215620461909856259?

超個人的2019年ベストアルバム

 2019年も終わりが近づいてきた。たくさんライブに行って、たくさんの新譜を買った一年だった。

 今年のベストアルバムは何か。SNSでは多くの投稿、意見がある。自分も一応考えてはみた。

 ただ、他人の年間ベストをみていて、『本当に自分ひとりだけに突き刺さったんじゃないか』という、あまり取り上げられないアルバムがいくつかある。

 というわけで、2019年最後のブログ記事は、そんな超個人的にツボにはまったアルバムたちをまとめた記事にしようと思う。というわけで、アルバムを3枚選んだ。ランキング形式で発表する。

 

第3位 Holding Patterns 「Endless」

 リリースされてすぐにレビューを書いたので詳細はそっちで読んでほしい。

an-eastern-music-blog.hatenablog.com

 レビューに多くのことを書いたのでここで改めて書くことはそれほどない。

 とにかく聞いてほしい。切れ味がすごい。

 

第2位 the waterfalls 「Youthlight」、「In the blue lagoon」

 三枚選んだといいながら、第2位はこの2枚というインチキなことをしてしまった。

 東京のシューゲイザーバンド、the waterfalls の2枚同時リリースのEP。「Youthlight」と「In the blue lagoon」。

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Youthlight

 

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In the blue lagoon

 

 それぞれサブスクリプションで聴くことができる。

 

Youthlight - EP

Youthlight - EP

  • The Waterfalls
  • ロック
  • ¥816

 

In the Blue Lagoon - EP

In the Blue Lagoon - EP

  • The Waterfalls
  • ロック
  • ¥816

music.apple.com

music.apple.com

 


 個人的には「赤盤」、「青盤」と呼んでいる。今年、シューゲイザーという音楽に完全にハマってしまった自分であった。国内外の素晴らしいシューゲイザーアルバムがでた2019年であったが、日本からでた作品では断トツでこの2枚が最高である。おそらく今年一番聞いたのもこの2枚。

 それぞれを単独で聴いてもいいが、対をなす一つの作品だと思っている。「Youthlight」は『A long long sleep』という曲で始まり、「In the blue lagoon」は『The long long goodbye』という曲で終わる。この二つの曲はコード進行も似ていて、プレイリストで二枚を合わせると、一つのアルバムとしての始まりと終りをはっきりと感じられる。

 肝心の内容についてだが、とにかく爽やかさが全面に出ているシューゲイザーだ。程よい疾走感がある。歌詞も長く多くを語るものではなく、シンプルなワードを繰り返す聞きなじみの良さも持ち合わせている。スーパーカーが好きな人にはたまらない音楽になっていると思う。

 

 

 第1位を発表する前に、番外編として2つアルバムを紹介する。どちらも名古屋のバンドになってしまった・・・。

 

 Sitaq 「Persons」

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persons

 

persons - EP

persons - EP

  • sitaq
  • ロック
  • ¥918

music.apple.com

 

 名古屋で活動するインディオルタナバンド、sitaq。積極的なライブ活動でじわじわと愛知県外にもファンを増やしている。何度か観ているが、観るたびに演奏がうまくなっていて、楽しいバンドである。

 今作はそんな彼らの、11月末にでた1stミニアルバムである。この作品のレコ発イベントが鶴舞ハポンで行われたが、前売りの段階でソールドアウト。注目度の高さが証明された。行きたかった・・・。

 絶妙なポップセンスとエモから影響されたような綺麗さがあるバンドだ。2020年にさらに大きくなるだろうから、今のうちから聞いておくことを勧める。

 

 EASTOKLAB 「EASTOKLAB EP」

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EASTOKLAB EP

music.apple.com

 

 名古屋のドリームポップバンド、EASTOKLABの1st EPである。もともとはthe skateboard kids として活動していたが、改名。今作が改名後の初のにEPになる。

 発表後はすさまじいと言っていいほど精力的に活動していた。毎週といっていいほど、名古屋を中心に日本の各地でライブをしていた。

 今作の完全再現+新曲披露のイベントが鶴舞ハポンであったので行ってきたが、新曲のほうが圧倒的に多く、2時間近くのフルセットのライブだった。どの曲も素晴らしいし、数もあるので、恐らく2020年にアルバムかEPか、なんらかの形で新譜がでると思う。

 シンセをたっぷりと使った、耳にやさしいドリームポップを聞かせてくれるバンドである。曲もミドルテンポのものが多く、ゆったりと浸るように聞くこともできる。シューゲイザー・ドリームポップ好きにとっては要注目の名古屋のバンドなんじゃないだろうか。

 

 

 というわけで、番外編は終わり。2019年に作品をだして、2020年の期待値がすごい注目のバンドという位置づけで選ばせてもらった。

 

 

 そして、第1位。

 

 

 

 第1位 Drab Majesty 「Modern Mirror」

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Modern Mirror
Modern Mirror

Modern Mirror

music.apple.com

 夏にリリースされた時から、結局今までずっと、自分の中の年間1位だった。なぜ誰一人としてこれを年間ベストに入れてないのかが不思議で仕方がない。

 まず、どんなバンドか。

 ロサンゼルスのゴス・ニューウェーブアーティストである。今作はプロデューサーにあのTelefon Tel AvivのJoshua Eustisを迎えての作品である。

 収録曲、「Ellipsis」のMVがこれだ。

 

www.youtube.com

 80年代ニューウェーブを現代に昇華させたアーティストはゴマンといるが、とてつもなく忠実で、それでいてモダンだ。絶妙な浮遊感とキャッチ―さがある。アルバム全編にわたってこれを楽しむことができる。PVがわざと古臭く作ってあるところもニクい。

 スマッシングパンプキンズのサポートアクトをしたこともある。改めて言うが、なぜこのアルバムが話題にならないのかが今年最大の謎だ。

 

 圧倒的に美しい。すべてが美しい。

 

 もし聞いていないなら、今すぐこの記事を閉じて、このアルバムを聞いてほしい。

 

 

 

 

 以上が超個人的な2019年ベストアルバムだ。

 

 

 もう一度言う。

 

 今すぐDrab Majestyを聞け。

 

 

夏の終わりを駆け抜けた

 久しぶりの記事になる。というのは、9月は毎週、どこかでライブを観に行ってて、多忙だったからだ。

 

 9/7(土) Black Midi  @京都メトロ

 9/15(日) Pohgoh /malegoat /Cait (Rainer Maria) /Turncoat @栄・Party's

 9/21(土) 全感覚祭(大阪)

 9/29(日) Nothing/ 揺らぎ @下北沢ERA

 

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 愛知県から西へ東へ。なかなかのハードスケジュールだった。10/5(土)も実は、浜松まで行って、シューゲイザーバンドが集まるライブがあったのでそれも楽しんだ。その話も入れると長くなってしまうので、今回は割愛する。(ちなみに浜松のそのライブの出演は Gangliphone/COLLAPE/Mishca/Yuragi Lands/sitaq/Plasmaclub だった。圧倒的にうるさくて良い夜だった)

 

 というわけで、ざっくりとそれぞれのライブに行った感想というかレポートを書いておこうと思う。

 

 9/7(土) Black Midi @京都メトロ

 京都がたしかツアー最終日だったと思う。チケットが売れてない説があったが、始まる前には身動きがとれないくらい人が入っていた。観に来た人もかなり色々だった。プログレ好き、エレクトロ好き、インディロック好き、そしてマスロック好きの自分など。Angel-Hoというアーティストのアルバムを一周させてから、グリーンデイの「バスケットケース」で登場、というド派手な始まりだった。外見のクセがすごいバンドだった。オタク感がすごいベーシスト、SUM41みたいな見た目のボーカル、テキサスのカウボーイみたいなギター、ゴリゴリの黒人。そこから繰り出される変幻自在な演奏に飲み込まれた。MCもアンコールも一切なし。20代前半の人たちがやるとは思えない貫禄。ポストパンクでもありプログレでもありハードコアでもあり、とにかく形容ができない。完全に「Black Midi」というジャンルを確立してしまったように感じた。これほどのバンドは、もうライブハウスでは収まらないと思う。フジロックとか野外のデカいステージで聴きたいし、その実力があることは証明された。

 

 9/15(日) Pohgoh/ malegoat/ Cait (Rainer Maria)/ Turncoat @栄・Party's

 Malegoatが連れてきてくれた。Pohgohは今年の復帰作から聞き始めた超後追い状態で見に行ったが、とにかくよかった。まずTurncoatが時間いっぱいつかってゴリゴリにエモいパンクを鳴らしてくれて、Party'sをあっためてくれた。Caitには驚かされた。ベース一本とエフェクターと、自身の歌だけ。それだけでチルアウトできる音楽を作り上げていた。malegoat。やっと、やっと見れた。最前列で体を揺らしてた。アンコールまでやってしまう盛り上がり。日本国内最高峰のエモバンドだ。そしてPohgoh。泣いた。女性ボーカルエモが大好きなんだ、と話していた若い女性がいたが、最前列でずっと号泣していた。それにつられて、僕も泣いた。病気を乗り越え、車いすに座ってギターを弾いて歌うボーカルは美しかった。アンコールでCaitが混ざって、Rainer Mariaの曲を演奏。泣いた。いつもお世話になってるstiffslackの店長、新川さんも号泣していた。「エモって、やっぱりいいよね」。お互いこれしか言えないし、体が動かせない、そういう感動的なライブだった。

 

 9/21(土) 全感覚祭(大阪)

 全感覚祭に今年初めて参加してみた。主に見たのは、bed/ Climb the mind/

The Novembers/ GEZAN 。全感覚祭、自分が行きたいフェスというものを完全に具現化していた。絶妙な規模だし、とにかく各ステージが観客に近い。移動も簡単。フリーフードが全部おいしい。お酒も充実してて、メインステージの裏でゆっくり音漏れと景色を楽しむこともできる。文句のつけようがない環境だった。ぜひ来年以降も参加したい。各アーティストをかなり前で観ていた。bedとClimb the mindにエモエモにされて、お酒とつまみと、そこかしらでライブを観てハイになった状態で、The Novembers と GEZAN を迎える、そんな一日だった。マヒトはGEZANのステージを始まるときに言った。「今日みたいな日が奇跡だとか伝説だとかそういう日じゃダメ」。こんなかっこいいバンドがいるだろうか。最強にぶちあがった。モッシュで圧死するかと思った。(下の動画を参考。真ん中で、前から三列目くらいの位置にこの時はいた)

 

youtu.be

 

 9/29(日) Nothing/ 揺らぎ @下北沢ERA

 9月の最後に仕事の都合で3連休が発生したので、観ることができた。揺らぎを観るのは実に1年弱ぶり。そしてNothingは例によってstiffslackで音源をすべて揃えてるバンドだったから、これ以上ないといえる組み合わせのツーマンライブだったと思う(揺らぎはNothingから指名されてのツーマンだったらしい) 。まずは揺らぎ。初めて見たのは大阪のコンパスだったけど、その時に比べたら序盤は「もっと轟音が欲しいな」と思ったのが正直なところだった。だが、ライブの後半はすさまじかった。「AO.」、「Path of the moonlight night」、「Sleeptight」、このラスト三曲がとにかくうるさくて美しい。「AO.」が今回のライブで一番好きな曲になった。轟音系ポストロック的な、静と動のコントラストに磨きがかかってた。欲を言えば、「Soon」と「Night is Young」もやってほしかったところ。そして、Nothing。シューゲイザーのバンドというより、

magnet schoolとかthe life and timesとかみたいなタイプのエモバンドとして僕はとらえているバンドなので、とにかく最前列ど真ん中で全身を激しく揺らして腕を突き上げて叫んで飛び跳ねた。シューゲイザーファンが多い観客の中では確実に一番浮いてたと思う。特に「Zero Day」と「Blue Line Baby」には痺れた。アンコールでやってくれた「Bent Nail」ではイントロで演奏より大きい声で絶叫してしまった。「Bent Nail」は急遽の演奏だったらしく、愛知から見に行った甲斐があった。

 

 

 

 

 そういうわけで、これはライブを見まくって駆け抜けていった夏の終わりの話でした。

 

 

弾丸でサマソニに行った話

サマーソニック2019 大阪 最終日 8/18

 

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 もともと行く気はなかった。観たいアーティストはいっぱいあったけど、今年はヘッドライナーが豪華で、東京も早めにソールドアウトしてしまったみたいだし。あきらめてた。

 

 でも、今年もやってたフジロックの配信を見ながら思った。

 

 「生で見れる機会があるなら逃したら損だ」

 

 というわけで、フジロックの配信を見終わってから、すぐに大阪最終日のチケットを買った。弾丸で行くことを覚悟して。

 

 

 というわけで、二年連続、三回目のサマーソニック大阪への参加だった。

 

 主に観てきたアーティストの感想を簡単に書こうと思う。

 

① Psychedelic Porn Crumpets

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 オーストラリアからのサイケバンド。今年のソニックステージは非常に充実していたと思うが、早々にこのバンドがでてきてくれたのはよかった。

 実は一番最初に見たのはamazarashiだった。いいライブだったけど、あくまで自分の目当てというかスタートはこのバンドだった。

 amazarashiは一緒に見た後輩に連れられて、前よりの真ん中で立ちながら見ていたが、早々に疲れてしまった。

 そういうわけで、Psychedelic Porn Crumpets はアリーナの一番後ろから座って観ることにしていた。

 けれど、そうはいかなかった。生で聴くと音源よりずっとうるさくて、サイケで、シューゲイザーで、メタルで、ヘヴィ。結局2曲目が終わったら立ち上がってた。で、曲ごとにどんどん前に出てしまって、気が付いたらamazarashiを観ていた時よりも近くで飛び跳ねてライブを観てしまっていた。

 最近、轟音を浴びるライブによく行くせいもあって、本当に来てよかったと、この時にすでに思った。

 大阪って東京に比べたらずいぶん規模は小さいけど、その分いっぱいになりやすいしアーティストとの距離も近い。Psychedelic Porn Crumpets は大盛り上がりだった。間違いなく。彼らも初めての日本に満足してくれたみたいだった。

 これだ。初めて日本にくるアーティストを全力で楽しんで、いい気持ちで帰ってもらう。これがフェスの楽しみなんだ。毎回のサマソニで考えていることなんだけど、今年は弾丸と決めてきて、気持ちが強かったから、よけいに心にくるものがあった。

 オーストラリアといえば、フジロックで圧巻のパフォーマンスをしたハイエイタス・カイオーテとステラ・ドネリー、いわずもがなのテームインパラ、大阪はキャンセルになったが東京のベストアクトと名高いタッシュ・サルタナ、そしてレイドバックしたザ・スミスみたいな良質なインディロックを鳴らすヴァケイションズ。最近素晴らしいアーティストを輩出する国がオーストラリアであるが、そこに割って入る実力を存分に見ることができた素晴らしいライブだった。

 

② Sam Fender

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 楽しかったんだけど、周りが残念だったなあというのが正直な感想。Endricheriが終わってから、ソニックステージにいた人全員いなくなったんじゃないかってくらい人が少なかったし、残ってたのは次のPale Wavesが目当てなんだろうって人が前のほうに固まってるくらい。B'z地蔵問題がなんやかんや言われてたけど、個人的に一番ひどかったのはPale Waves地蔵だった。もうちょっと予習してきてほしかったよ、周りの人たち。

 まあ、そんな偉そうなことを言った自分も「Dead Boys」と8月にでた新譜をそれぞれ3周程度回しただけの浅い状態で観た人間なんだけど。Pale Wavesを前のほうで見るために予習したアーティストなんだけど。

 で、肝心のライブはというと、マジで自分以外だれが盛り上がってるんだよ、ってくらいだった。とりあえず自分には彼がかっこよくて美しく映ってた。

 ライブの後半になって、自分のすぐ横に酔っ払ったおじさんおばさん組が来た。その中のおばさん一人が「ほら、いいでしょ!?でしょ!?」って楽しそうだった。そのおばさんのすぐ横で「あ、これなら俺もはしゃいでいいな」って思えた。そういう時に丁度、新譜からのリードトラック『Hypersonic Missiles』をやってくれた。めちゃくちゃ歌った。飛び跳ねた。

 それが伝染したのかはわからないけど、その曲から一気にソニックステージの空気が変わった。おとなしかった周りも結構揺れたり腕をあげたりしてた。

 Sam Fender はライブの終わりに感謝の言葉ともう一曲といって演奏を僕らにプレゼントしてくれたけど、もっと僕らから与えられるもの(盛り上がりとか喜びの気持ちや表情、態度)があったんじゃないかな。いいライブだっただけに、そこが悔しい。

 

③ Pale Waves

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 俺にとっての今年のサマソニの大本命。2年連続の出演。去年サマソニで見て、冬の単独ツアーも初日の名古屋に見に行って、そして今回を迎えた。

 ほぼ最前列の真ん中に来ることができた。Sam Fender の時からいた地蔵が大半だったけど。

 前のほうにいるのはほぼ女子。去年のサマソニでは結構男性人気がある感じがしてたけど、その後アルバムをだして、単独の時と今回のサマソニとで、かなり女性人気がでた印象を受けた。ひょっとしたら今は女性のほうがファンが多いかもしれない。

 セットリストは単独で見た時とほとんど同じだった。『Eighteen』、『Television Romance』から始まっていく感じ。ただ、これまでよりもボーカルのヘザーのロックスター然とした姿がそこにはあった。キュートさとポップさを併せ持つクールなバンド、それが去年のPale Wavesだった。今回は違った。「跳べ」と言わんばかりに何度も人差し指を上に掲げた。マイクを持ってステージを歩き回りながら聞く者を煽る。

 だけど、マイクのコードに躓いたりとかもしてた。まだまだクールには振り切れてない感じが、若きロックスターの卵、って感じがしてよかった。

 Pale Waves のアルバム全歌詞の和訳をしたことがある自分にとっては、全曲でシンガロングすることなど容易だった。このアーティストの為に来たサマソニで、最高にノらせてくれるライブをしてくれたと思う。唯一の減点ポイントといえば、さっきも書いたけど、セトリがほとんど単独の時と同じだったことで、ライブを楽しみつつも、「つぎはあれだな」っていうのが何となく察することができてしまっている自分がいた。これについては自分のPale Waves への愛が強すぎるせいかもしれない。

 最後の最後はやっぱり『There is a honey』だった。そして、最後にヘザーはステージを降りて飛び込んできた。目が合った。はっきりと腕にふれた。「I love you, Heather!」って叫んでおいた。(あと、多分だけどPale Wavesを見てたひとの中でダントツでテンションが高かったのが俺だったんだ。それで、多分『Red』の時も目が合ったと思う。最高だったよ。)

 

 ④ Weezer

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 Pale Waves を観終わってからすぐに来た。最後に『Say it ain't so』だけでもやってくれたら観れるだろうと信じて。

 期待通りだった。『Hush Pipe』まで聞くことができたのはラッキーだった。最後の二曲だけしか見れなかったけど、バリバリにエモい演奏を楽しめた。正直、Pale Wavesじゃなくてこっちにしておけばよかったかもしれない、と思った。

 あと、初めてリヴァースの日本語を生できいたけど、結構上手だなと思った。

 MCの宣言通り、今年の紅白に出てほしいよ。

 

 ⑤ the 1975

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 翌日は仕事だから、MGMT か the 1975 を観て帰る、ということは決めてた。どちらを観るべきかは直前で迷ったけど、the 1975 なら全曲で泣き叫んでしまうくらい楽しめる自信があったので、こっちにした。

 予感は当たった。『Give yourself a try』、『TOOTIME』の冒頭2曲でもう涙がとまらなくなってた。『She's American』、『Sincerity is scary』、『It's not living』とキラーチューンを続けてやって、それだけでも大満足だった。

 タバコを吸いながらのMC、そこからの『I like America』。これがこの日の彼らの一番カッコいい瞬間だったんじゃないかな。

 もちろん例外はあるけれど、政治的な主張が強くなると、作品というのはなんだか薄っぺらく、つまらないものになりがち。というのが僕の感覚なんだけど、彼らも例外の一つであることをはっきりとこのライブで確信できた。

 最高のアンビエントナンバー『Somebody else』を挟んで、『I always wanna die』。『I always wanna die』の時、顔は涙と汗でぐちゃぐちゃだった。そんな状態でサビでシンガロングしてるもんだから、鏡が目の前にあったら我ながら粗相してただろう。

 さらに『Love it if we made it』からの、まさかの『chocolate』。現在と過去の名曲を聴くことができて感無量だったし、いかに数年で化け物じみた進化をしているのかを示していた。

 そして、『SEX』。最高に盛り上がる。そしてデカデカと映る「Rock n Roll Is Dead God Bless」の文字。これを観たくてthe 1975に来たのだ。もう死んでもいい、そう思えた。

 最後はやっぱり『The Sound』。

 ロックは死んだ、なんて言っておいて、跳べ、って煽る。ダブルスタンダードすぎる。そしてそれが許される圧倒的な楽曲と演奏。

 彼らが2010年代を代表するアーティストになり、来る2020年代のリーダーになっていくことに、だれが文句をいえようか。そんなことを思った。

 

 

 

 帰りは意外とすんなり帰れた。the 1975が終わった直後はB'zが見たい人と移動したい人でもみくちゃになって大変だったけど。全然バスも混んでなかった。意外と弾丸でサマソニって、サマソニの楽しみ方として正解なんじゃないかと思った、そんな今年だった。

 

 ただ、サマソニよ。バスの場所は毎回同じにしてくれ。去年は前売りでも当日でもオアシスから結構あるいたとこにあったぞ。頼むから場所は固定にしてくれ。

 

 

 来年はフジロックデビューします。本気で。

白く染まった(羊文学ライブレポート)

 ずいぶん久しぶりにブログを書く。仕事とか色々あった。それなりに忙しい日々を過ごしながらいろんなライブに行ってた。Vasudevaとか、Carb on Carbとか、CHINESE FOOTBALLとか。

 

 そんな中、奇跡的に残業がその日なくて、平日なのに観れたライブがあった。

 

8/2(金) 羊文学 @名古屋 CLUB UPSET

 

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 ワンマンライブだった。羊文学の新作EP「きらめき」のリリースツアーとして、東名阪をワンマンで巡るというツアー。その初日がなんと名古屋だった。

 

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今年の春にでた新作EP「きらめき」

 

 チケットは無くなる寸前で手に入れた。仕事を終えて、開場済のライブハウスについたら「SOLD OUT」の文字。「名古屋飛ばし」という言葉さえ存在するほど客が集まらないことで有名な、名古屋ではありえない文字に感動した。

 

 羊文学は、新作のEPが出るまでは全然聞いたことが無かった。以前、自分がライターとして所属していた「出前寿司RECORDS」で、他のメンバーがアルバム「若者たちへ」についてのアツい記事を書いていたから、バンドの存在は知ってた。

 

delivery-sushi-records.hatenablog.com

 

 新作「きらめき」のリリースを受けて、この記事を思い出して、自分は羊文学に興味を持った。「きらめき」と「若者たちへ」を聞いた。そしてこのライブをぜひ見ようと思っていた。本当に見れたのは奇跡にちかい。

 

 

 自分の経緯の話はこれでおしまい。またライブ当日の話に戻る。

 

 ソールドアウトしたというだけあって、ライブハウスは人だらけだった。客層は本当にいろんなひとがいた。明かにシューゲイザーが好きそうな雰囲気の若い男子、着飾った服装の女子、オルタナ好きがにじみ出ている中年くらいの人、とにかくたくさん。PALE WAVES が名古屋に来た時に見に行ったけど、その時を思い出すほどの人の入り具合と、聞きに来る客層の広さを感じた。

 

 19:00開場、19:30開演という予定通り、19:30ほぼ丁度に羊文学はステージに現れた。

 新作EPのレコ発ツアーだから、新曲を中心に演奏すると思っていた。けれどそうではなかった。

 

 1.「春」

 2.「あたらしいわたし」

 3.「絵日記」

 

 冒頭の三曲で新作から初期のEPまでの曲を演奏した。

 「これはただのレコ発じゃなくて、シンプルに持ち曲をガンガンやるタイプのライブだ」と確信した。演奏を観ながらどんどんテンションが上がっていった。(ワンマンライブだからそういうスタイルのライブになるのは当たり前なんだが)

 

 続けて

 4.「ロマンス」

 5.「ドラマ」

 6.「うねり」

 

 「うねり」の後にいったんMC。歌ってる時の声量が信じられないくらい、ボーカルの塩塚モエカは静かにゆっくりと話した。

 名古屋という場所で羊文学を見に来た人がこれほどいるとは、という驚きを話していたが、自分も同じ気持ちだった。

 名古屋に来るのはこれが3回目くらいで、2019年は初ということだった。貴重な機会であることがあらためて分かって嬉しかったけど、もっと名古屋に来てほしい。

 あと、水分補給を強く推奨してきた。「お酒では水分をとったことにならないらしい」ということで「水を飲んで水を」と念押ししてきた。(この日、この後のMCで毎回言ってた)

 

 水分補給の話をしたところで「そんな夏の日の曲」と言ってまた演奏が始まった。

 

 7.「夏のよう」

 8.「踊らない」

 9.(新曲)

 10.「若者たち」

 

 新譜「きらめき」にも収録されていない新曲を挟みつつ、過去作を中心に演奏していった。「夏のよう」、「若者たち」で浴びた轟音に心底感動した。ぜひライブで聴きたかった曲だったから。

 

 またMCを挟んだ。正直自分としては「若者たち」が演奏されたときに「終わっちゃうのかな」と思ってた。それくらいクライマックスらしい迫力だったから。

 しかし衝撃の言葉が飛び出した。「終わる感じだけど、まだ半分なんですよ」

 

 11.「ブレーメン

 12.「ミルク」

 13.「ソーダ水」

 14.「コーリング」

 

 「ミルク」が新譜の中では一番好きな曲。羊文学もこの曲は好きなのか、演奏した後にコメントをしてくれてなんだか嬉しかった。「コーリング」も良かった。三人で向き合ってブレイクして、飛んで跳ねて弾く、若々しさにあふれていた。

 

 15.「祈り」

 16.「Step」

 17.「優しさについて」

 

 新譜の最後の曲「優しさについて」でライブ終了。

 当然アンコールはあった。

 出てきてまずは物販の紹介だった。「くるりかよ」って心の中でツッコミを入れた。

 白を基調として、花の刺繍の入ったカバンとか、ハンカチとか、言い方は昨今ではあれだけど「女の子らしい」ものが多かった。一応はガールズバンドに括られることがあるバンドなんだっけ、と思いだした。そりゃ女子から人気でるよね。(実際、観に来た人の半分くらいは若い女性だった)

 

 そしてアンコール

 

 1.ペイヴメントのカバー

 2.1999

 3.天気予報

 

 ペイヴメントはあまり詳しくないから曲はわからない(「Spit on a stranger」の気がする)。「発音は・・・」って塩塚モエカは笑ってた。ちょっとカタカナ英語だったけど、それくらいのほうがローファイな感じがしたし、全体としてかっこよかったから気になるものではなかった。

 「季節外れのクリスマスソングだけど」って言ってやってくれた「1999」。〆の「天気予報」。他の曲でもコーラスが素晴らしかったけど、アンコールで聴くと全然感動が違った。最後まで、光に包まれて吹き飛ばされるようなライブだった。

 

 

 と思ったらまさかのアンコール2。

 

 「生活」

 

 CDなど音源でのリリースはない、ずっと前からの曲。最後の最後の最後をこういう曲で〆る新しいあたりが面白い。「エンディング」はライブでやってくれなかったけど、こういう演出がもう「エンディング」を演奏する代わりになった気がした。

 

 

 

 

 そんなわけで、羊文学のライブは終った。

 

 ライブ後、サインをもらうことができた。途中で並びなおして自分が最後尾。

 ゆっくりして待って、メンバー全員からサインがもらえた。

 さっき載せた羊文学の「若者たちへ」のレビューを書いた人と、塩塚モエカが知り合いらしかったので、その話もできたりして、贅沢だった。

 あと、間近でみると全員めちゃくちゃ若い。多分みんな年下。なんか負けた気しかしなかった(一般人の分際で何を思ってんだろ)けど、まだまだこのバンドが見れる機会がありそうだってことがうれしかった。

 

 

 

 最近、シューゲイザーバンドとか轟音系ポストロックバンドとか、とにかく音がデカいライブに行くことが多かった。

 羊文学もかなりの音のデカさのライブだったけど、体感は他のライブとは違った。

 最近観たライブは、飲まれていく、吸い込まれていく、そういう轟音だった。(それも大好きだ)

 羊文学のライブの轟音は「吹き飛ばされる」とか「まぶしい」って表現が似合いそう。アニメとかで神様がものすごい光を放って全部の悪者とか闇を浄化したり消し去ったりするみたいに。仕事終わりで疲れてライブを観に行ったのに、終わってみれば疲れがとれた(ような気がした)。

 

 

 

 まさにあの日、あの場所の世界は『白く染まる夕方』だった(厳密には夜なんだけど)。

 

 

 

 

 

 ちなみにツアーファイナルの東京(8/7)で、今年さらに新作がでること、2020年のツアーが発表された。

 ぜひ来年も名古屋で。今度は土日がいい。東京優遇はやめてほしい。せめて大阪で土日のどっちか。