超個人的2019年ベストアルバム
2019年も終わりが近づいてきた。たくさんライブに行って、たくさんの新譜を買った一年だった。
今年のベストアルバムは何か。SNSでは多くの投稿、意見がある。自分も一応考えてはみた。
ただ、他人の年間ベストをみていて、『本当に自分ひとりだけに突き刺さったんじゃないか』という、あまり取り上げられないアルバムがいくつかある。
というわけで、2019年最後のブログ記事は、そんな超個人的にツボにはまったアルバムたちをまとめた記事にしようと思う。というわけで、アルバムを3枚選んだ。ランキング形式で発表する。
第3位 Holding Patterns 「Endless」
リリースされてすぐにレビューを書いたので詳細はそっちで読んでほしい。
an-eastern-music-blog.hatenablog.com
レビューに多くのことを書いたのでここで改めて書くことはそれほどない。
とにかく聞いてほしい。切れ味がすごい。
第2位 the waterfalls 「Youthlight」、「In the blue lagoon」
三枚選んだといいながら、第2位はこの2枚というインチキなことをしてしまった。
東京のシューゲイザーバンド、the waterfalls の2枚同時リリースのEP。「Youthlight」と「In the blue lagoon」。
それぞれサブスクリプションで聴くことができる。
個人的には「赤盤」、「青盤」と呼んでいる。今年、シューゲイザーという音楽に完全にハマってしまった自分であった。国内外の素晴らしいシューゲイザーアルバムがでた2019年であったが、日本からでた作品では断トツでこの2枚が最高である。おそらく今年一番聞いたのもこの2枚。
それぞれを単独で聴いてもいいが、対をなす一つの作品だと思っている。「Youthlight」は『A long long sleep』という曲で始まり、「In the blue lagoon」は『The long long goodbye』という曲で終わる。この二つの曲はコード進行も似ていて、プレイリストで二枚を合わせると、一つのアルバムとしての始まりと終りをはっきりと感じられる。
肝心の内容についてだが、とにかく爽やかさが全面に出ているシューゲイザーだ。程よい疾走感がある。歌詞も長く多くを語るものではなく、シンプルなワードを繰り返す聞きなじみの良さも持ち合わせている。スーパーカーが好きな人にはたまらない音楽になっていると思う。
第1位を発表する前に、番外編として2つアルバムを紹介する。どちらも名古屋のバンドになってしまった・・・。
Sitaq 「Persons」
名古屋で活動するインディオルタナバンド、sitaq。積極的なライブ活動でじわじわと愛知県外にもファンを増やしている。何度か観ているが、観るたびに演奏がうまくなっていて、楽しいバンドである。
今作はそんな彼らの、11月末にでた1stミニアルバムである。この作品のレコ発イベントが鶴舞ハポンで行われたが、前売りの段階でソールドアウト。注目度の高さが証明された。行きたかった・・・。
絶妙なポップセンスとエモから影響されたような綺麗さがあるバンドだ。2020年にさらに大きくなるだろうから、今のうちから聞いておくことを勧める。
EASTOKLAB 「EASTOKLAB EP」
名古屋のドリームポップバンド、EASTOKLABの1st EPである。もともとはthe skateboard kids として活動していたが、改名。今作が改名後の初のにEPになる。
発表後はすさまじいと言っていいほど精力的に活動していた。毎週といっていいほど、名古屋を中心に日本の各地でライブをしていた。
今作の完全再現+新曲披露のイベントが鶴舞ハポンであったので行ってきたが、新曲のほうが圧倒的に多く、2時間近くのフルセットのライブだった。どの曲も素晴らしいし、数もあるので、恐らく2020年にアルバムかEPか、なんらかの形で新譜がでると思う。
シンセをたっぷりと使った、耳にやさしいドリームポップを聞かせてくれるバンドである。曲もミドルテンポのものが多く、ゆったりと浸るように聞くこともできる。シューゲイザー・ドリームポップ好きにとっては要注目の名古屋のバンドなんじゃないだろうか。
というわけで、番外編は終わり。2019年に作品をだして、2020年の期待値がすごい注目のバンドという位置づけで選ばせてもらった。
そして、第1位。
第1位 Drab Majesty 「Modern Mirror」
夏にリリースされた時から、結局今までずっと、自分の中の年間1位だった。なぜ誰一人としてこれを年間ベストに入れてないのかが不思議で仕方がない。
まず、どんなバンドか。
ロサンゼルスのゴス・ニューウェーブアーティストである。今作はプロデューサーにあのTelefon Tel AvivのJoshua Eustisを迎えての作品である。
収録曲、「Ellipsis」のMVがこれだ。
80年代ニューウェーブを現代に昇華させたアーティストはゴマンといるが、とてつもなく忠実で、それでいてモダンだ。絶妙な浮遊感とキャッチ―さがある。アルバム全編にわたってこれを楽しむことができる。PVがわざと古臭く作ってあるところもニクい。
スマッシングパンプキンズのサポートアクトをしたこともある。改めて言うが、なぜこのアルバムが話題にならないのかが今年最大の謎だ。
圧倒的に美しい。すべてが美しい。
もし聞いていないなら、今すぐこの記事を閉じて、このアルバムを聞いてほしい。
以上が超個人的な2019年ベストアルバムだ。
もう一度言う。
今すぐDrab Majestyを聞け。