SPOOLのレコ発(名古屋編)がすごく良かった話

今年、バンド初の全国流通盤フルアルバム(記事の一番下にストリーミングのリンクあり)をリリースした女子4人組の話題のシューゲイザーバンド、

 

SPOOL。

 

そのレコ発、名古屋編に行ってきた。

(画像はそのアルバム「SPOOL」のジャケット)

 

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場所は栄のParty's。名古屋のシューゲイザーバンドmishcaとEastoklab、東京からのシューゲイザーバンドaprilaprilとcattle、そしてSPOOL。出演バンドが盛りだくさんなレコ発だった。

 

mishca

ライブで初めて聞いたバンドだったけど、トップバッターでいいのかと思うほどの轟音と甘さがあって、いきなり「今日来てよかった」と思った。メンバーの一人が脱退してしまうらしいけど、4/14に新しい音源のリリースがあったばかり。レコードストアデイでバカ買いした後にライブに来たせいでお金がなくて物販で買えなかった。悔しい。ぜひ別の機会でまた見たい。

 

Eastoklab

改名前(the skateboard kids)の作品も含めてストリーミングで聴いたことはあった。ライブだとアルバムよりもっとドリーミーだった。好きなバンドの一つになった。このバンドも改名後は初となるアルバムのリリースが控えていて、楽しみ。

改名前のアルバム音源と、今の名前でリリースしたシングルがApple Musicでも聞けるので貼っておく。

https://itunes.apple.com/jp/album/newtopia/1169827985

https://itunes.apple.com/jp/album/exexperience/1284204647

 https://itunes.apple.com/jp/album/haze-single/1456823664

 

aprilapril

このバンドも、今回のライブで初めて聞いた。シューゲイザーというよりは良質なインディオルタナ、って印象を受けた。疾走感が気持ちよかった。

1stミニアルバムがApple Musicで聴ける。もともと自分はエモが好きなので、かなりツボだった。収録曲だと「umbrella」が好き。

Cattle

1stEPを持ってて、2ndEPはストリーミングで聴いてきたので、SPOOLの次に楽しみにしてたバンドだった。最前列で観た。ライブはすさまじかった。音源のポップさはどこへ、というぐらいの轟音。ライブ化け、というどころじゃなかった。SPOOLのレコ発だったけど、ベストアクトだった気さえする。作品のリリースも近々(?)あるらしくて、ぜひ欲しいし、ぜひまた見たい。レコ発で名古屋来てほしい。

Apple Music にある2ndEP がこれ。

 https://itunes.apple.com/jp/album/slow-sailor-ep/1239263184

 

 

 

 

そして、SPOOL。

 

Cattleに引き続き、最前列で。

 

まずは「Springpool」。音量はちょっと控えめな気がしたけど、その分、甘い。声も楽器も、全部の音がバランスよく聞こえた。そもそもメロディが綺麗なバンドだったことを思い出した。

 

次に「blooming in the morning」。多分この夜で一番静かだった曲。丁寧に一音一音響いてた。とにかく上手い。

 

MCを挟んで、「Shotgun」「Be My Valentine」を続けて演奏。両方ともアルバムの好きな曲。「Shotgun」でシューゲイザーらしい轟音と甘さを堪能して、アウトロをちょっとノイジーにして畳みかけるように「Be My Valentine」だった。「このまま『Be My Valentine』につながったらうれしい」と思ってたところにやってくれたから、声にならない悲鳴がでた。「Shotgun」が始まった時はうれしくて本当に声がでちゃったわけだけど。

 

最後はモルヒネ。これも「最後は『モルヒネ』で〆てほしいな」と思ってたところだったからうれしかった。

 

アンコールは1曲。「No, thank you」。超轟音を最後にあびたい、って気分だったのでストライクだった。アルバムの中で最後の曲で、ボーナストラックみたいな印象があったんだけど、それとも合ってた。それまでにやってた曲からすると嘘みたいにザクザクと力強く演奏する姿がかっこよかった。アウトロはすごく引き伸ばして、4人が向かい合ってひたすらかき鳴らす。実際はそんなに長い間ではなかったんだろうけど、いつまで続くんだろうと思うくらいのノイズの嵐に飲まれた。最高だった。

 

 

あまりにも短い尺のライブだったのが唯一残念なところだった。もう一度名古屋に来たときは、彼女たちの今の持ち曲を全部やれるくらいの時間で見たい。

 

 

(おまけ1)

 

SPOOLをまだ聞いてない人はストリーミングもあるのでとりあえずそこからどうぞ。

 https://itunes.apple.com/jp/album/spool/1450790211

 

もっとSPOOLについて知りたい、って人へ。以前僕もメンバーだった共同の音楽ブログサイト、出前寿司Records(http://delivery-sushi-records.hatenablog.com/)のリーダー、おすしたべいこ氏がやっているシューゲイザー専門の音楽メディア、Sleep Like A Pillow をチェックしてほしい。下がリンクだ。SPOOLについてのインタビューが2つもある。かなり濃密な内容になっている。

 

www.sleep-like-a-pillow.com

 

(おまけ2)

せっかく名古屋に来てくれたので、SPOOLのTシャツを買って、サインをもらってました。CDは事前に2枚買っておいて1枚をサインもらう用にしてたので、実行できてよかった。

 

本当に楽しかったです。SPOOLの皆さん、ありがとうございました。

 

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アルバムのジャケットがプリントされたTシャツ

 

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SPOOLの4人からもらったサイン

飛びながらシューゲイズ(Wild Nothing ライブレポート)

Wild Nothing のライブを観るために京都メトロまで行ってきた。

 

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今回は昨年リリースしたアルバム「インディゴ」のリリースツアー。

正直な話、Wild Nothing は名前は有名だし、1stと2ndは名盤として名高いけど、今作「インディゴ」のリリースツアーが決まるまで全く聞いたことはなかった。

とりあえず「インディゴ」を何度も聞いてみて「良い」とは思ったけど、絶賛するほどにはハマってない状態でライブに乗り込んでしまった。不安はかなりあった。

 

だけど、それは杞憂だった。

 

「Nocturne」、「Wheel of Misfortune」、「Golden Haze」、「Flawed Translation」

 

冒頭の4曲で一気に引き込まれた。ダウナーなのに明るい。沈んでいるようなのに飛んでるよう。夢を見ているような揺らぎと、踊れるポップな要素。まさにドリームポップだった。

 

「インディゴ」からの曲に偏らず、他のアルバムの曲もバランスよく組み込まれたセットリストで、初めてちゃんと聞けて、観れたことがよかった。

 

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落ち着いたライブではあった。(自分は控えめに腕を上げて体を揺らしていたが)

 

その空気が一変したのは「Canyon on Fire」からだった。

 

陽気な外国人がいきなり飛び跳ねて前にきて、モッシュのようになった。超満員で身動きもできないような空間の中で。それからはもう自分もなりふり構わなかった。ずっと飛び跳ねて、腕を高くあげて。本来はそういうタイプの音楽じゃないと分かってるのに、その場の空気と、彼らの音楽がそうさせた。

 

アンコール前の最後の曲が「Letting Go」だった。「インディゴ」の中でも特に好きな曲。空気を変えたその外国人は僕の真横だった。二人して肩を組みあって踊った。完全にダンスフロアだった。

 

オルタナで、シューゲイザーとかサイケとかに寄ってる音楽であれほど踊れるとは思わなかった。ライブをみて「まあまあ好き」レベルのアルバムが「すごく好き」になるとかはよくあったけど、アーティスト単位でそれを感じたのはこれが初めてだった。

 

以下、セットリスト

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Smokebeesを聞いてほしい件

 2019年の3月は新譜ラッシュ。ジャパニーズハウス、アメリカンフットボール、ステラドネリー、日本だとザ・ノーベンバーズ。

 そして3/20、こんな新譜がでた。

 

 Smokebees 「Imaginary Lights Never Fade」

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 そもそもどんなアーティストなのか。簡単に言うと、日本人2人組の宅録ユニットだ。メンバーである Taku Sudo と Miki Hirose はそれぞれ別の名前やグループでも活動している。(下はアー写

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 カセットのEPなどもリリースしていたが、今作がフルアルバムとしては初の作品になる。

 

 このアルバムを作るにあたって、影響を受けたと本人たちがSNSで語った作品たちが以下である。

 ① MicroPhone 「Before The Waves Roll In」

 ② A Grave With No Name 「Feathers Wet, Under The Moon」

 ③ Astrobrite 「Pinkshinyultrablast」

 ④ Triathalon 「Online」

 ⑤ Seabear 「The Ghost That Carried Us Away」

 ⑥ The Smith 「Hatfull of Hollow

 ⑦ Sparklehorse 「It's a Wonderful Life」

 

 宅録らしい電子音が随所にあるけど、全体的にはインディのオルタナとかドリームポップ的な柔らかい音楽。遠い田舎で作られたように感じる曲もある。かと思えば轟音系ポストロックみたいにギターがかき鳴らされるところもある。上記であげられた音楽からの影響がたしかにあるように思える。

 でも、どの曲も耳に突き刺さる強い音ではなく、狭い空間をじんわりと満たしていくような広がりを感じる。大音量で聴いても疲れない。(本来はそういう音楽じゃないんだろうけど)

 

 ストリーミングでも聞くことができるので、以下にリンクを。

 

Smokebeesの「Imaginary Lights Never Fade」をApple Musicで

 

Imaginary Lights Never Fade by Smokebees on Spotify

 

 

 自分のお気に入りの曲を3つあげてみる。

 

#1「Playpark」

 電子的な音と田舎っぽい音が合わさってのどかな曲。Mumが好きな人とかはハマると思う。

 

#6「Miyoko」

 この作品中で一番ドリーミーな曲。Youtubeでもこれは聞くことができる。これを聞くためだけでも買う価値がある。

www.youtube.com

 

#11「Illuminant」

 ラストナンバー。最後らしく切ない感じに仕上がってる。鍵盤が一番作品中で綺麗に聞こえる。一枚を通して聞いてきて、最後に聞くことでより光る曲。

 

 

 CDが欲しくなったら下に貼ったこのアルバムの特設サイトで、売ってるお店をチェックしてほしい。ライブの情報もある。(現時点では名古屋のみ)

 

smokebees.wixsite.com

 

 もっとこのアルバムが聞かれますように。

 

来日決定!NIIGHTSの「Hellebores」を聞こう!

ジュンです。出前寿司Recordsがお休みになって、個人で音楽について書くブログを立ち上げました。

(出前寿司Recordsはこちら→ http://delivery-sushi-records.hatenablog.com/

・・・が、だらだらとしてしまって初記事がこのタイミングになってしまった。もうちょっとちゃんとしよう。

 

というわけで、この新しいブログでの初記事です。最初はこれについて書くとは決めていた。(決めてから1か月以上経ってるわけだけど)

 

今回取り上げるのはこのバンドだ。

 

シューゲイザーバンド、NIIGHTS

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女1(ボーカル)、男3のシューゲイザーバンドだ。当初はバンド名は普通に「NIGHTS」だったが、改名で「I」が間に増えて「NIIGHTS」になった。

 

2019年の8月に来日ツアーが決定している。(ここ重要)

 

「NIGHTS」としては1枚アルバムをリリースしている。

そして「NIIGHTS」に改名後の初のアルバム(本人たちにとっては2ndアルバム)が今年の2月にリリースされた。

 

「Hellebores」

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シューゲイザーバンドらしい耽美なジャケットだ。そして面白いのは、ちぎったポスターを合わせたようなデザインだ。

 

そう、このアルバムはジャケットの通り、前半(Part1)と後半(Part2)で分かれている。わざわざPart1とPart2でそれぞれEPを作っている。Apple Musicではその形で存在している。(リンクを添付しておいた)

 

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part1→ https://itunes.apple.com/jp/album/hellebores-pt-i-ep/1445069978

 

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part2→ https://itunes.apple.com/jp/album/hellebores-pt-ii-ep/1451226496

 

まるで「クイーン2」であるかのように、このアルバムは前半は白、後半は黒で表される。そして音もその色に合わせて、「陽」の前半、「陰」の後半になっている。

 

 

前半(Part1)にはアルバムリリース前のシングルを3曲配置していて、非常にキャッチ―で聴きやすいシューゲイザーサウンドで固まっている。Rideのような爽快感がある。

 

こういう感じ。

 

「So Into You」

www.youtube.com

「Keyhole」

www.youtube.com

 

だが、後半は激変する。ストーナーロックみたいな重くて暗い曲が続く。ブラックサバスのようであると感じる瞬間さえある。

 

「Hellebores」(アルバムタイトルになったインストナンバー)

www.youtube.com

10分越えの大曲「With Bated Breath」

www.youtube.com

シングル「SYLVIA」

www.youtube.com

これが後半である。

 

 

落差が凄まじいアルバムであるが、意外と聞いてみるとスムーズにいける。(Part2の1曲目が丁度繋ぎになるような重さになっているからだ)

 

この落差を生でぜひ味わってほしい。8月の来日ツアーの対バン相手も豪華だ。

東京は、17歳とベルリンの壁、とか

名古屋は、Softsurf 、とか

注目の対バンが見ることができる。

 

ツアー詳細はこちら

2670records.jp

 

たくさんの人が行ってほしい。そして逝ってほしい(耳が)。