飛びながらシューゲイズ(Wild Nothing ライブレポート)
Wild Nothing のライブを観るために京都メトロまで行ってきた。
今回は昨年リリースしたアルバム「インディゴ」のリリースツアー。
正直な話、Wild Nothing は名前は有名だし、1stと2ndは名盤として名高いけど、今作「インディゴ」のリリースツアーが決まるまで全く聞いたことはなかった。
とりあえず「インディゴ」を何度も聞いてみて「良い」とは思ったけど、絶賛するほどにはハマってない状態でライブに乗り込んでしまった。不安はかなりあった。
だけど、それは杞憂だった。
「Nocturne」、「Wheel of Misfortune」、「Golden Haze」、「Flawed Translation」
冒頭の4曲で一気に引き込まれた。ダウナーなのに明るい。沈んでいるようなのに飛んでるよう。夢を見ているような揺らぎと、踊れるポップな要素。まさにドリームポップだった。
「インディゴ」からの曲に偏らず、他のアルバムの曲もバランスよく組み込まれたセットリストで、初めてちゃんと聞けて、観れたことがよかった。
落ち着いたライブではあった。(自分は控えめに腕を上げて体を揺らしていたが)
その空気が一変したのは「Canyon on Fire」からだった。
陽気な外国人がいきなり飛び跳ねて前にきて、モッシュのようになった。超満員で身動きもできないような空間の中で。それからはもう自分もなりふり構わなかった。ずっと飛び跳ねて、腕を高くあげて。本来はそういうタイプの音楽じゃないと分かってるのに、その場の空気と、彼らの音楽がそうさせた。
アンコール前の最後の曲が「Letting Go」だった。「インディゴ」の中でも特に好きな曲。空気を変えたその外国人は僕の真横だった。二人して肩を組みあって踊った。完全にダンスフロアだった。
オルタナで、シューゲイザーとかサイケとかに寄ってる音楽であれほど踊れるとは思わなかった。ライブをみて「まあまあ好き」レベルのアルバムが「すごく好き」になるとかはよくあったけど、アーティスト単位でそれを感じたのはこれが初めてだった。
以下、セットリスト
Smokebeesを聞いてほしい件
2019年の3月は新譜ラッシュ。ジャパニーズハウス、アメリカンフットボール、ステラドネリー、日本だとザ・ノーベンバーズ。
そして3/20、こんな新譜がでた。
Smokebees 「Imaginary Lights Never Fade」
そもそもどんなアーティストなのか。簡単に言うと、日本人2人組の宅録ユニットだ。メンバーである Taku Sudo と Miki Hirose はそれぞれ別の名前やグループでも活動している。(下はアー写)
カセットのEPなどもリリースしていたが、今作がフルアルバムとしては初の作品になる。
このアルバムを作るにあたって、影響を受けたと本人たちがSNSで語った作品たちが以下である。
① MicroPhone 「Before The Waves Roll In」
② A Grave With No Name 「Feathers Wet, Under The Moon」
③ Astrobrite 「Pinkshinyultrablast」
④ Triathalon 「Online」
⑤ Seabear 「The Ghost That Carried Us Away」
⑥ The Smith 「Hatfull of Hollow」
⑦ Sparklehorse 「It's a Wonderful Life」
宅録らしい電子音が随所にあるけど、全体的にはインディのオルタナとかドリームポップ的な柔らかい音楽。遠い田舎で作られたように感じる曲もある。かと思えば轟音系ポストロックみたいにギターがかき鳴らされるところもある。上記であげられた音楽からの影響がたしかにあるように思える。
でも、どの曲も耳に突き刺さる強い音ではなく、狭い空間をじんわりと満たしていくような広がりを感じる。大音量で聴いても疲れない。(本来はそういう音楽じゃないんだろうけど)
ストリーミングでも聞くことができるので、以下にリンクを。
Smokebeesの「Imaginary Lights Never Fade」をApple Musicで
Imaginary Lights Never Fade by Smokebees on Spotify
自分のお気に入りの曲を3つあげてみる。
#1「Playpark」
電子的な音と田舎っぽい音が合わさってのどかな曲。Mumが好きな人とかはハマると思う。
#6「Miyoko」
この作品中で一番ドリーミーな曲。Youtubeでもこれは聞くことができる。これを聞くためだけでも買う価値がある。
#11「Illuminant」
ラストナンバー。最後らしく切ない感じに仕上がってる。鍵盤が一番作品中で綺麗に聞こえる。一枚を通して聞いてきて、最後に聞くことでより光る曲。
CDが欲しくなったら下に貼ったこのアルバムの特設サイトで、売ってるお店をチェックしてほしい。ライブの情報もある。(現時点では名古屋のみ)
もっとこのアルバムが聞かれますように。
来日決定!NIIGHTSの「Hellebores」を聞こう!
ジュンです。出前寿司Recordsがお休みになって、個人で音楽について書くブログを立ち上げました。
(出前寿司Recordsはこちら→ http://delivery-sushi-records.hatenablog.com/ )
・・・が、だらだらとしてしまって初記事がこのタイミングになってしまった。もうちょっとちゃんとしよう。
というわけで、この新しいブログでの初記事です。最初はこれについて書くとは決めていた。(決めてから1か月以上経ってるわけだけど)
今回取り上げるのはこのバンドだ。
シューゲイザーバンド、NIIGHTS
女1(ボーカル)、男3のシューゲイザーバンドだ。当初はバンド名は普通に「NIGHTS」だったが、改名で「I」が間に増えて「NIIGHTS」になった。
2019年の8月に来日ツアーが決定している。(ここ重要)
「NIGHTS」としては1枚アルバムをリリースしている。
そして「NIIGHTS」に改名後の初のアルバム(本人たちにとっては2ndアルバム)が今年の2月にリリースされた。
「Hellebores」
シューゲイザーバンドらしい耽美なジャケットだ。そして面白いのは、ちぎったポスターを合わせたようなデザインだ。
そう、このアルバムはジャケットの通り、前半(Part1)と後半(Part2)で分かれている。わざわざPart1とPart2でそれぞれEPを作っている。Apple Musicではその形で存在している。(リンクを添付しておいた)
part1→ https://itunes.apple.com/jp/
part2→ https://itunes.apple.com/jp/
まるで「クイーン2」であるかのように、このアルバムは前半は白、後半は黒で表される。そして音もその色に合わせて、「陽」の前半、「陰」の後半になっている。
前半(Part1)にはアルバムリリース前のシングルを3曲配置していて、非常にキャッチ―で聴きやすいシューゲイザーサウンドで固まっている。Rideのような爽快感がある。
こういう感じ。
「So Into You」
「Keyhole」
だが、後半は激変する。ストーナーロックみたいな重くて暗い曲が続く。ブラックサバスのようであると感じる瞬間さえある。
「Hellebores」(アルバムタイトルになったインストナンバー)
10分越えの大曲「With Bated Breath」
シングル「SYLVIA」
これが後半である。
落差が凄まじいアルバムであるが、意外と聞いてみるとスムーズにいける。(Part2の1曲目が丁度繋ぎになるような重さになっているからだ)
この落差を生でぜひ味わってほしい。8月の来日ツアーの対バン相手も豪華だ。
東京は、17歳とベルリンの壁、とか
名古屋は、Softsurf 、とか
注目の対バンが見ることができる。
ツアー詳細はこちら
たくさんの人が行ってほしい。そして逝ってほしい(耳が)。