2020年の四半期(1月~3月)で出た好きなアルバムまとめ

 なかなかコロナウイルスのせいで大変なことになってるけど、今年の四半期が終わった。とりあえず「これは良かったなあ」なものをざっくりと書きます。

 

①GEZAN「Krue」

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 これ抜きで四半期を語るのは無理でしょう。ミクスチャーの音楽として髭男とかキングヌーとか色々流行ってるなかで出た、破壊力しかないタイプのミクスチャーロック。

 前作「Silence Will Speak」で硬派なパンクにラップやヒップホップの要素を合わせたが、さらに今回はダブのテイストを加えた。よりダークでアンダーグラウンドな感触を持つ。全曲シームレスでつないでBPM100で固定とかも面白いし、歌詞に注目しても面白い。

 そのあたりの感想というかレビューは「音楽だいすきくらぶ」さんのほうに書かせてもらったので、そっちでどうぞ。僕だけではなく、いろんな人のレビューを集めた合作で、読み応え抜群です。楽しかった。

 

ongakudaisukiclub.hateblo.jp

 

 とりあえず、コロナウイルスの影響を受けまくったGEZANのこの超かっこいい言葉を言わせてほしい今の世界である。

 『Fuck, Virous. Human Rebelion』

 

②羊文学『ざわめき』

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 幸い、コロナが流行る前に大阪のワンマンライブ(梅田・シャングリラ)を観れた。大ブレイク間近と言われてるけど、とっくにブレイクしてるよね。大阪はソールド。去年の名古屋ワンマンもソールド。

 昨年でたEP「きらめき」は、『ロマンス』、『ミルク』、『ソーダ水』、といった、爽やかさと柔らかさをすごく前に出した作品だった。2019年末にようやくCD音源としてリリースした『1999』は、彼らの持つ優しさが出た。

 じゃあ今作『ざわめき』は?端的に言えば、鬼気迫るような音、怒りの音、そういうものが僕は感じられた。実際、梅田のワンマンライブで披露した今作に収録の『恋なんて』は、ボーカルの塩塚モエカ曰く「女の子がブチ切れてる曲」だとか。

 1stフルアルバム「若者たちへ」が出てから、二枚のEP「きらめき」と「ざわめき」が出たわけだが、この2枚で一気に表現の幅が広がったように感じた。甘さとシリアスさも兼ね備えて表現できる、そんな素晴らしいバンドにどんどん進化してることが分かる作品。

 

③Kevin Krauter 『Full Hand』

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 ドリームポップ系の音楽だと、とりあえずこれなんじゃないか。前作は結構シティポップな感じがしてたからあまりちゃんと聞いてなかった。でも今作でいきなり浮遊感をドーンと出してきたし、シティポップ感ある音楽を通してきたから、甘みがすごい。

 正直まだ聞き込みは甘いけど、感触はかなりいい。打ち込みの音も結構あって、踊れる要素もある。面白い。

 

④Pinegrove 『Marigold』

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 1月に出たアルバムだけど、インディロックではこれがまだトップかなあ。自分の中では。シンプルに歌の良さとメロの良さが出てるし。普通に、彼らの最高傑作。じわじわと盛り上がっていくような展開の良さも持ってる。

 今までに挙げた音楽の中では「憂い」の要素が強いんだけど、落ち込む音楽ではない。哀愁。彼らもいろいろな問題を抱えて、ようやくのリリースだから、思うところもある。ただ、音楽自体は素晴らしい。(本人はそう言われてほしくないような、複雑なことも話してた気がするけど)

 

⑤Ratboys 『Printer's Devil』

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 快作。その一言につきる。間違いなく彼らの最高傑作である3rdアルバム。ティーンエイジファンクラブなんかの爽やかでうるさいギターポップが好きなら突き刺さって仕方ない。

 僕が大好きな日本のバンド、The Firewood Project のハジメさん(Ratboysの来日ツアー招致もしてる人)が、彼らのアルバムリリース後のライブを観に行ってたけど、本当にたくさんの人がライブを楽しんでた。

 まだまだ、かっこいいギターポップは健在だし、今から聞いても間に合うと思う。ぜひたくさんの人に聞いてほしいアルバムの一つ。

 

⑥Beach Slang 『The Deadbeat Bang Of Heartbreak City』

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 もうちょっと見つかってもいいんじゃないかなあこれ。ほんっとにカッコいい。エモ、ガレージ、シューゲ、グラムロック、全部まぜまぜにして、ストリングスとかも入れて、スタジアムロックなアルバムになってる。最近のイチオシです。

 ロックオペラ、ってアルバムではないけど、聞き終えたときに、オペラというか一つのデカい演劇を観たような満足感と爽快感が得られます。

 

 

 

 というわけで2020年最初の四半期の好きだと思ったアルバムたちでした。

 ほかにも、轟音ポストロックのCaspianとか、元Saxon Shoreの人が新しく作ったシューゲイザーバンドDesertaとかあるけど、文字数もあるのでこの辺で。

 

 ちょっとだけ追記。

 早速だけど、4月のおすすめ。

 

・Peel Dream Magazine 『Agitprop Alterna

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 NY産のノイジーステレオラブ、簡単にいうとそんなアルバム。リリースは4/3だけど、一足早くCDを買うことができたので、もう堪能してるところ。

 前作「Modern Meta Psychic」でデビューしたときは、とにかくバラエティに富んだ音楽をしてたけど、今回はある程度方向性をそろえてきて、聞きやすさは増してると思う。

 超、超、超レコメンド。前作は実は2018年の個人的ベスト3にも選んでて、新作を待ち続けてたから。その期待を普通に超えてきてすごい。

 

・Hazel English 『Wake UP!』

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 リリースは4/24。ファーストフル。フィーメールボーカルのインディポップ・インディロックが好きな人はマスト。ボーカルの持つ浮遊感が実に気持ちいい。あんまりローファイとかの気だるさは感じない。丁寧な弾き語りを聞くような感じ。癒されたい人はぜひ。

 

 

 

 追記も以上。

 

 

 コロナに負けてたまるかー。